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先鋒 今井 聖 撰

(「街」130号 解放区・自由区より 順不同)







饒舌の唇見惚れゐる炬燵かな      大森  藍
裸木に翼ぶ厚く来て止まる      小久保佳世子
採血の上手なナース冬椿      柴田 千晶
觀梅の人を遠目にバスを待つ      杉山 愉一
父方と母方聖樹二本あり      竹内宗一郎
春めくやフリーダ・カーロの義足赤し      茸地  寒
釉薬の肩に流るる雪催      たなか 游
干大根分け入るやうに帰郷せり      長岡 悦子
採血の針刺さる時梅匂ふ      西澤みず季
あと二枚足りぬ補助券冬の雷      半澤登喜惠
染髪のビニール手袋猫の恋      穂阪 幹子

手を入れし方へ動きぬ初氷      松野 苑子
双六の如し上から見るデッキ      森山いほこ
開襟の最後の軍装敗戦日      山田富士夫
パレットに去年の青ある今年かな      安藤 尚子
煮凝りや嫁女を泣かせ五十年      池田 義弘
灰神楽立てて焚火の仕舞とす      池本 光子
アウトロー寒寒と否生き生きと      伊藤 容子
寒の月蝕子宮のあるを忘れゐし      上田貴美子
うつすらと仕事納の汚れかな      石川 暘子
ファックスの吐き出す訃報寒満月      井上  淳
厳冬の国会中継ああ母國      大塚 俊子
落穂拾ふさまに人の名思ひ出す      岡田とく子
海沿ひのふんどし町や鰤起し      小黒  正

ギター抱へて料峭のホスピスに      加藤 冬人
母を看て雪を下ろして賀状出さず      金丸 和代
階段の隙間隙間に雪の嶺      川島 謙一
繭玉を揺らせば傷の癒えさうな      木下はるえ
あたたかし世界の子ども洗ひたし      草野 早苗
冬ざるる若き法定相続人      葛生みもざ
引揚船の夫の記録や雪もよひ      久保田寿子
年金額決定とにかく大根煮る      小林真智子
うるせえが最期の言葉寒の月      笹沼 千景
対岸はチュニス真白き凧の群      杉山 文子
一枚で出来てゐるなり石鹸玉      髙勢 祥子

孫泣かす賽生き生きと絵双六      髙橋 まみ
玉ねぎのとろとろいつのまにひとり      高橋 麗子
梅開き出す自転車のスピードで      田中  圭
青すぎる冬空不安鯉の口      富田はなえ
赤ん坊の手が伸びてくる初電車      二本柳映子
寒鴉はや来て犬の給餌どき      半田  稜
春を待つニベア缶の青のつぺりと      藤尾 ゆげ
鳰潜るこんにやく色の鶴見川      藤木 裕子
「うん」とだけの返信受けぬ冬菫      宮田 絵里
目瞑れば聖樹の残像が三秒      箭内  忍
凍星を酒杯にわれら荘子の徒      八尋舜一郎
繋がれし我を呼びしか揚雲雀      鷲巣 正




| ■ 先鋒三十(最新号から)

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