一声は獣じみたる秋蛙     富田はなえ

種の保存の本能がはたらくのか、秋に入って蛙の鳴声が一段と切実感を増す。蛙は両生類だが、獣というイメージではない。蛙の声にふと獣の獰猛な雄叫びを聞いたように思うのはどこか作者自身の深遠にそういう叫びへの予感や希求があるからであろう。

                       今井 聖


「街」80号 未来区鳥瞰より

| ■ 街の一句

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