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VISIBLE (88)


今井 聖







春炬燵迂回す父に肩貸して

遠足の戻りの橋の伸びてをり

唇の動きがバ・レ・ン・タ・イ・ン・デ・イ

寝過ごして駒込にをり春の月

早春の我が処方箋手から手へ

後任の男伴ひ青き踏む

長欠の机が一つ囀り来

春宵の街へ土地勘ある如く

春愁の明るい壜の底にゐる

体温計褞袍の奥の奥へ挿す

チェックアウト一人は春の雪嶺へ

ライラック昼の天文台の白

春昼の壁に黄ばみし分掌図

育休の机の下の日傘かな








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